介護事業者の倒産過去最多：訪問介護の危機と業界の未来
目次
2024年、介護事業者の倒産件数が過去最多の172件に達しました。前年比40.9%増と急増しており、これまで最多だった2022年（143件）を29件上回る深刻な状況です。特に訪問介護事業所が厳しい経営環境に直面しており、今後さらなる影響が懸念されています
介護事業者の倒産状況と推移
介護事業者の倒産は、近年増加傾向にあります。
2023年8月末時点：倒産件数114件（9月12日発表）
2023月末時点：倒産件数145件（11月7日発表）
2024年の倒産件数：172件（過去最多）
この増加の背景には、介護業界全体の経営環境の悪化や政策の影響が大きく関与しています。
訪問介護事業所が特に厳しい理由
訪問介護の倒産が特に増加しており、2024年には81件と過去最多を記録しました。その主な要因として、以下の点が挙げられます。
ヘルパー不足による経営圧迫
介護業界全体で人手不足が深刻化し、訪問介護では特に人材確保が困難に。
介護職員の確保ができず、サービスの維持が難しくなるケースが増加。
介護報酬の改定や物価高騰の影響
介護報酬は一定の基準で決まっており、事業者が自由に価格を設定できない。
物価高騰により運営コストが増大する一方で、十分な報酬の引き上げが行われていない。
小規模事業者の淘汰が加速
訪問介護事業所の多くは小規模経営であり、資本力が弱い。
経営の厳しさから廃業や倒産に追い込まれるケースが増えている。
デイサービス・有料老人ホームの倒産増加
訪問介護だけでなく、デイサービスや有料老人ホームでも倒産が増えています。
デイサービス：56件（過去2番目の件数）
有料老人ホーム：18件（過去最多）
利用者ニーズの変化や、サービスの多様化に対応できなかった事業者が淘汰されている現状があります。
介護業界の経営環境の悪化要因
介護事業者の倒産が増加している背景には、以下のような要因があります。
人手不足の深刻化
介護職員の確保が難しく、特に訪問介護では厳しい状況。
物価高騰によるコスト増加
燃料費や人件費の上昇により、事業運営コストが大幅に増加。
コロナ禍で悪化した経営の立て直しが困難
- コロナ関連支援が縮小し、経営の立て直しが進まない事業者が多い。
介護保険報酬の改定による影響
報酬改定により経営が圧迫される事業者が増えている。
2025年以降の見通し
今後、介護業界の淘汰がさらに進む可能性が高いと考えられます。
事業者の経営効率化や人材確保が急務
政策や支援の動向が業界の将来に大きく影響
新しい介護サービスの提供方法の模索が求められる
介護事業者倒産増加に伴う課題と対策
介護事業者の倒産が過去最多となり、特に訪問介護が厳しい状況に置かれています。これにより、利用者への影響も大きくなる可能性が高いため、今後の対策が急務です。
介護事業者の持続可能な経営のための施策が必要
経営効率化の重要性が増している
介護人材の確保と育成が不可欠
政府や自治体の支援策の活用が求められる
今後の動向を注視し、業界全体での対応策を検討していくことが重要です。
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著者：田中恵理子＠ファミーユ採用マーケティング担当介護現場・保育現場の経験、それに加えて、IT・SNSマーケティングについての関心が強く独学を続けてきました。ファミーユの良さを日々伝えていきたいと思っています。
