
介護職の賃金問題—格差拡大の現状と改善策

近年、多くの業界で賃上げが進む中、介護業界は取り残されています。最新の調査によると、介護職の平均年収は全産業平均より110万円以上低く、その格差は拡大。厳しい現実と課題を詳しく解説します。
介護職と全産業の給与格差の実態
調査によると、2023年度の介護職の平均年収は約360万円でした。一方、全産業の平均年収は470万円を超えており、その差は110万円以上にも及びます。
この格差が生まれる背景には、介護業界の特性が影響しています。介護報酬は国の制度によって決められており、企業が自由に賃金を引き上げることが難しいのが現状です。また、人手不足が深刻化しているにもかかわらず、給与面の改善が進まないことで、離職率の高さも問題視されています。
なぜ介護職の賃金は上がらないのか?
財源の問題と国の政策
介護職の給与は、介護保険制度に基づく介護報酬によって決まります。しかし、財政的な制約から介護報酬の大幅な引き上げは難しく、給与の改善が遅れています。
人手不足と待遇改善のジレンマ
人手不足を解消するためには待遇改善が必要ですが、財源が限られているため、思うように給与を上げることができません。その結果、人材が流出し、さらなる人手不足を招くという悪循環に陥っています。
他業種との比較
同じ福祉系の職種でも、医療職(看護師など)に比べて介護職の給与は低く抑えられています。また、他業界では人材確保のために積極的な賃上げが行われており、介護業界との差が広がっています。
介護職の賃上げが進まない理由
企業と労働市場の動向
一般企業では、人材確保のために積極的な給与引き上げが行われています。しかし、介護業界では、経営資源の多くが人件費に充てられているため、利益を確保する余裕がなく、賃上げが難しい状況です。
介護業界特有の構造的課題
介護業界は公的な資金に依存しているため、給与を市場原理で決めることができません。また、高齢化の進展により、介護サービスの需要は増加していますが、それに見合った財源の確保が進んでいません。
現場の声と求められる施策
介護職員の厳しい現実
給与の低さと将来の不安: 介護職員の多くが「やりがいはあるが、給与が低く将来が不安」と感じています。生活の安定が難しく、長期的に働くことに対する不安が大きいのが現状です。
長時間労働の負担: シフト勤務が多く、休日が不規則であるため、ワークライフバランスが取りにくいという声が多く聞かれます。
精神的・肉体的な負担: 介護業務は身体的な負担が大きく、さらに利用者やその家族との関係構築に伴う精神的ストレスも課題となっています。
給与改善に向けた具体的な提案
介護報酬の引き上げ:国の政策として介護報酬を増額し、給与改善につなげる。
キャリアアップ制度の整備:経験年数や資格取得に応じて昇給できる仕組みを強化。
民間企業との連携:介護業界への投資を促し、給与アップのための資金を確保。
介護の未来、ファミーユで切り開こう!
介護業界の課題解決に向けて、ファミーユは働きやすい環境づくりや待遇改善に力を入れています。研修制度の充実やキャリアアップ支援を通じて、長く働ける職場を目指しています。
あなたもファミーユで介護の仕事にチャレンジしてみませんか?
ご興味のある方はコチラをご覧ください。詳細な情報や応募方法について、さらに詳しくご確認いただけます。

著者:田中恵理子@ファミーユ採用マーケティング担当
介護現場・保育現場の経験、それに加えて、IT・SNSマーケティングについての関心が強く独学を続けてきました。ファミーユの良さを日々伝えていきたいと思っています。