
「介護職です 入社してから昇給はありません」どこに行った処遇改善!?

はじめに
介護職の処遇改善が叫ばれ、毎年の様に処遇改善加算のUPが実施される中、意外にも多くの介護職員の方が「入社以来、時給があがったことなんかない」と面接で教えてくれます。スキルアップをして困難事例でも対応できるようになったとしても、昇給で他の職員の方と差がつくことがないのだと言います。本記事では、現状の問題点を分析し、具体的な解決策や情報を提供します。処遇改善の背景を理解し、昇給が実施される普通の事業所の実態を紹介します。
なぜ時給が上がらないのか?その原因を探る
事業拡大→効率化がされない小規模事業所
介護事業所の多くは、10名以下の小規模な事業所です。そのような事業所は、売上額が低く、固定費が収益を圧迫し、職員への処遇や拡大のための投資をすることができない現状があります。そのような事業所では、費用を掛けずとも効率化できる工夫を重ねて行く必要がありますが、そういった効率化の取組にも消極的で、変化を好まない事業所は多く存在します。
人材不足により人件費抑制
介護業界全体の人手不足も影響しています。少しづつでも職員の数が増えれば、売上も上昇し、固定費比率が下がり、昇給するための原資が確保できるようになるのですが、職員数がずっと増えて行かない事業所ではそれも望めません。
昇給制度の不透明さ、どこに行った?処遇改善
処遇改善加算は一貫して制度を充実させ、処遇改善加算率は上昇しています。
平成21年度から処遇改善加算は、導入され、介護報酬に組み込まれてきました。介護サービスの種類や職員の配置基準などに応じて、加算Ⅰ~Ⅴの5つの区分が設けられました。令和元年10月からは、「特定処遇改善加算」が創設され、加算がより細分化され、資格取得支援やキャリアパス形成を促進するための加算が新設されました。直近では、令和5年には、従来の制度とは別に「ベースアップ加算」が追加され、翌令和6年からは、これら複数の加算一本化されました。加算率は、制度改定のたびに引き上げられ、15%~20%を超える程のボリュームになっています。また、障害サービスでは40%を超える処遇改善加算が算定される場合も出てきています。
このように、毎年の様に上昇を続けてきた処遇改善加算がある一方、介護職員の中には、「10年近く働いているけど、昇給は一度もない」と話す方もいらっしゃるのです。一体処遇改善加算はどこへいってしまったのでしょう。
職員の評価制度の欠如
昇給を定期的に実施していない事業所では、当然、評価制度もありません。評価で貢献度を明らかにしたところで、それに報いることをしないためです。
時給アップがある事業所なのか見極める
- 昇給制度・実績が公開されている事業所を見極める:昇給制度や過去の昇給実績が明確に示されている事業所は、信頼できる可能性が高いです。透明性のある制度は、職員のやる気を引き出します。
- 成長性のある事業所か見極める:事業所の成長性も重要なポイントです。成長が見込まれる事業所は、昇給や新しいポジションの提供など、職員に対する投資が期待できます。
- 遵法意識が高い事業所か見極める:介護事業所は毎年処遇改善加算が受けられるはずですが、その資金が職員に還元されているか確認することが必要です。遵法意識が高い事業所では、職員に対する処遇改善も確実に行われるでしょう。
- 評価制度、キャリアプランなど職員の育成の仕組みがあるか見極める:職員の育成に力を入れている事業所は、評価制度がしっかりしており、昇給の基準が明確です。キャリアプランが提示されていることで、職員のモチベーションも向上します。
- 資格取得促進→高付加なサービスへの転換があるか見極める:資格取得を奨励している事業所は、職員のスキル向上に力を入れており、より高い付加価値を提供できる可能性が高いです。これにより、事業所の収益も増加し、結果として昇給につながります。
ファミーユヘルパーサービスでの昇給の実態
- 処遇改善加算のUPの頻度以上に昇給実施:ファミーユヘルパーサービスでは、規模の拡大とDXの強力推進により、処遇改善加算UPのタイミング以上に昇給を実施しています。具体的には半年に一度以上昇給を実施しています。
- 資格取得支援強力バックアップ 採用費:この事業所では、資格取得支援を強力に行っており、採用費に対して教育費を多く投資しています。職員がスキルアップできる環境が整っており、キャリア形成を後押ししています。採用費:教育費の比率はなんと1:9なのです。
- 期待値を明確にした評価制度で何をしたら昇給するか全員理解:ファミーユヘルパーサービスでは、期待値を明確にした評価制度を導入しており、職員全員が何をすれば昇給するのかを理解しています。これにより、モチベーションが向上し、業務に対する意欲が高まります。
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東北大学法学部卒業。アマゾン・ミスミグループなど国内外の人事マネジャーを歴任。人事制度・評価制度の構築の他、独学でITを習得し、多くの人事関連の業務効率化を主導。関連書籍も執筆。2021年からファミーユヘルパーサービス名北の管理者兼サービス提供責任者。