訪問介護のなり手が少ない問題、ファミーユが全部解決する
訪問介護の人材不足が深刻化する中、ファミーユヘルパーサービス名北は、この問題に正面から向き合っています。なぜ訪問介護のなり手が少ないのか、その理由と、ファミーユがどのようにこれらの課題を解決しているのかご紹介します。
有効求人倍率が14.14倍(全産業は1.23倍)と異常値を継続
2023年の訪問介護の有効求人倍率は14.14倍だったそうです。全産業(2024年6月)が1.23倍ということなので、かなり異常な値です。
有効求人倍率は、一人の求職者に対して、どのくらい求人があるかを示すものなので、全産業的には、一人の求職者に対して求人が1.23しかないのに、訪問介護では、一人の訪問介護で仕事をしたいという人に対して、14.14の事業所求人があるということになります。
厚生労働省は無策
この問題を含めて、社会保険審議会では、主に賃金面での問題(2024・04に訪問介護の基本報酬が下げられて、訪問介護の倒産が増加している問題など)について議論が行われたようなのですが、厚生労働省の回答は・・・
- 今年度から拡充・一本化した新たな処遇改善加算の効果を最大化していく。
- 都道府県ごとに設置している基金の使途のメニューに、特に小規模な事業所のホームヘルパーの確保、経営改善などに向けた施策を加える
- ヘルパーの魅力を伝える広報事業も新たに展開する「訪問介護を担う人材の確保・定着を通じ、事業所の経営の安定化を図っていきたい。地域で必要なサービスが提供される環境の整備に努めていく」
といったものだった様です。筆者の感想としては、10~15倍の有効求人倍率の違いあり、企業業績は回復により、全産業的な賃金も上昇しているということは、社会保険料の収入も多くなっているはずにも関わらず、最も効果がある賃金面(介護報酬)の抜本対策をしないのは、よっぽど財政的に絞らなくてはならない理由があるのだろうと思っています。
訪問介護の人気がない理由
厚労省の対策が腰が引けているが、だからといって批判を重ねてもあまり意味はないのでしょう。ちなみに、訪問介護が人気がない理由については、以下の3点があげられています。
- 1人で利用者宅へ訪問してケアを提供することへの不安が大きい(85.3%)
- 他のサービスと比べ、実質的な拘束時間が長い割に効率的に収入が得られない(66.7%)
- 実際に仕事をしてみないとやりがいが理解しづらく、事業所によるアピールが難しい(65.3%)
※ 出典|令和3年度老人保健健康増進等事業「訪問介護事業のサービス提供体制の見直しに関する調査研究事業」
ファミーユ的には、この3つの理由については、いろいろと手を尽くしていて、対策をしています。
訪問介護のなり手が少ない問題 ファミーユが全部 解決する
課題1:1人で利用者宅へ訪問してケアを提供することへの不安が大きいー>社員がまず入りいつでもリカバリー
一人での訪問に不安を感じるヘルパーさんは少なくありません。ファミーユでは、この不安を解消するために、以下のような取り組みを行っています。
- サ責がまずサービスに入る: ファミーユでは比率的に多くのサービス提供責任者を配置しており(職員+40名の内、10名)、まずはサービス提供責任者がサービスに入り手順を確立し、その利用者様をパート職員さんに引き継いでいます。OJT同行やお休みした場合のリカバリー体制がしっかりしているのです。
- ラインワークスによる情報共有: 利用者様の基本情報・目標・手順書などの情報が社内SND(ラインワークス)で確認できるようになっています。質問やサービス上の困りごとなども、ラインワークス内で活発に意見交換されており、心配を抱えてサービスをしなくてもよい体制になっています。
- 過去の苦情・トラブルを日々リマインド: 過去に起きた苦情・トラブル事例がラインワークスをつかって、日に3回(一つの事例ずつ)発信されています。後からファミーユに入った方や経験の少ない方でも過去のトラブル事例から自分のサービスレベルを見直せる機会になっています。
課題2:他のサービスと比べ、実質的な拘束時間が長い割に効率的に収入が得られないー>9-18時勤務を可能にした勤務体制
訪問介護の正社員は、サービス以外の時間(移動時間・空き時間等)を勤務時間としない制度を持つ事業所が多く、9-18時では8時間の勤務にならず、他のサービスと比較して、長時間、自宅に戻れないのは確かです。ファミーユでは、9-18時勤務が標準になる仕組みを構築しています。また、パート職員についてもサービスとサービスの間の移動時間は勤務時間としています。
- 紙文化の撲滅: シフトとシフトの空き時間を間接業務に充てられるなら、9-18時の勤務が可能になるはずです。そのためには事務所に戻らずともリモートで仕事をする環境を整える必要があります。ファミーユではノートPCの配布、テザリング手当、クラウド活用を積極的に行い、リモートで仕事ができる環境を構築しています。
- 移動時間は勤務時間: シフトの合間の移動時間は勤務時間です。厚生労働省の見解がでているとおりの対応をしています。
- 空き時間の裁量: リモート勤務が可能になったとしても、各自異なる空き時間でリモート勤務をするには、その時間について 各自の裁量を与える必要が出てきます。ファミーユでは自立した仕事ができると判断した方については、空き時間の裁量を与え、月・日の労働時間を時間内に抑えられる様な仕組みとしています。
以上の取組ついては、動画でも紹介しています。
課題3:実際に仕事をしてみないとやりがいが理解しづらく、事業所によるアピールが難しいー> 体験入社を制度化
訪問介護のやりがいは、実際に働いてみないと分かりにくい側面があります。ファミーユでは、この課題に対して、以下のような取り組みを行っています。
- 無資格・未経験の方の職場体験: 無資格キャンペーンとして特別時給のサービス経験の求人を作り、希望者を募集しています。資格を持っている職員が同行するので、職場の雰囲気も理解できます。
- 充実した研修制度: 初任者研修、実務者研修、同行援護、行動援護の資格取得サポートがあります。研修費用だけでなく、研修参加の日は、勤務日となる(パート職員の場合には時給の補助がある)ので、研修期間が長い研修受講でも安心です。サポートを受けるには、条件があるので、そこはお問い合わせください。詳細はコチラ
- 事業所の取組を情報発信:ホームページ・ブログ・Youtube・Xなどを通じて日々、ファミーユの取組・事業所の雰囲気を発信中です。
まとめ
ファミーユヘルパーサービス名北は、訪問介護のなり手が少ないという社会問題に対して、様々な角度から解決に取り組んでいます。これらの取り組みを通じて、より多くの皆様に安心して訪問介護の仕事に携わっていただきたいと考えています。より詳しい情報をご覧になりたい方は、コチラもみてください。
東北大学法学部卒業。アマゾン・ミスミグループなど国内外の人事マネジャーを歴任。人事制度・評価制度の構築の他、独学でITを習得し、多くの人事関連の業務効率化を主導。関連書籍も執筆。2021年からファミーユヘルパーサービス名北の管理者兼サービス提供責任者。