介護×DXの仕事とは?現場の働きやすさを仕組みから変える

介護職と業務設計担当者がタブレットを見ながら仕事の流れを相談するイメージ

介護×DXの仕事は、介護現場の横にいる『パソコンに詳しい人』ではない。現場の困りごとを見つけ、業務・技術・人の動きを一体で組み替え、実際に使われるところまでやり切る仕事である。

国が育てようとしているのは、機器の管理者ではない

厚生労働省は、介護現場の生産性向上を担う『介護デジタル中核人材』の養成を進めています。令和6年度の調査研究では、この人材に必要な力として、介護の知識・技術と法制度の理解、介護テクノロジーの理解、課題解決、プロセスマネジメント、リーダーシップ、情報発信の6つを整理しました。

興味深いのは、プログラミングや機器設定だけが中心ではないことです。現場を理解し、課題を言葉にし、関係する人を巻き込み、改善を実行する力まで含まれています。これは、介護DXが『新しいソフトを買う仕事』ではなく、『仕事の流れを変える仕事』だと国も捉え始めたことを示しています。

実際の研修も、講義を聞いて終わる構成ではありません。自職場で業務を分析し、介護テクノロジーの導入計画をつくり、一定期間実践するところまで組み込まれています。DXに必要なのは知識の多さより、現場で変化を起こす力だからです。

ところが求人では、DXの仕事が小さく見えすぎている

介護事業所で『DX担当』を募集すると、パソコンの初期設定、アカウント管理、故障対応、表計算の修正といった仕事に見えがちです。もちろん、それらも必要です。しかし、それだけでは本来の価値の一部しか伝わりません。

たとえば、シフト調整に時間がかかっているとします。表を見やすくするだけなら改善は限定的です。依頼はどこから届くのか、誰が判断するのか、変更は誰に伝わるのか、確認漏れはどこで生まれるのかまで分解しなければ、同じ混乱が別の画面で続くだけです。

記録、キャンセル連絡、FAX、会議、採用、請求も同じです。紙を画面に置き換えることと、仕事を短く安全にすることは違います。『入力先を増やしただけのDX』が現場に嫌われるのは、技術の問題より業務設計の問題です。

ファミーユが考えるIT・DTの「I」は、InformationではなくInnovative

ファミーユでは、IT・DTをシステムの保守部門に閉じ込めず、会社の仕事の形を変える機能として考えています。ここでいう「I」は、単に情報を扱うInformationというより、新しい方法を実務へ持ち込むInnovativeです。

AIが向いているのは、曖昧な文章から意図を読み取る、候補を探す、要点をまとめるといった仕事です。一方、絶対に間違えてはいけない条件や確定した手順は、通常のプログラムで固定した方が安全です。画面操作しか手段がない仕事では、RPAやブラウザー拡張が手足になります。大切なのは流行の道具を一つ選ぶことではなく、仕事ごとに役割を分けることです。

そして最後に必要なのが、人を動かす力です。現場の職員が使えなければ、どれほど精巧な仕組みも価値を生みません。説明し、試してもらい、反応を見て直し、定着するまで伴走する。この部分まで含めて、介護×DXの仕事だと考えています。

介護×DXを、雑用ではなくキャリアにするために

  • 担当業務ではなく、解決する課題を示す。 求人票に『PC設定』とだけ書くのではなく、記録時間の短縮、連絡漏れの防止、シフト調整の高速化など、変える対象を明確にします。
  • 導入件数ではなく、使われた結果を評価する。 アプリを何個入れたかではなく、時間、ミス、問い合わせ、現場の負担がどう変わったかで見ます。
  • 介護経験とIT経験を対立させない。 現場を知る人が技術を学ぶ道と、技術を知る人が介護実務を学ぶ道の両方を用意します。必要なのは、二つの言葉を翻訳できる人です。
  • 小さく試し、早く直せる権限を渡す。 完璧な全社計画を待たず、一つのチーム、一つの業務から試し、結果を見て広げられる運用にします。

結論

介護の仕事には、人にしかできない判断と関係づくりがあります。同時に、その大切な仕事の周囲には、探す、転記する、待つ、確認するといった負担が大量に残っています。

介護×DXの仕事は、その負担を技術で取り除くだけではありません。『なぜこの仕事をしているのか』まで立ち戻り、役割と流れを組み直す仕事です。介護職でも、事務職でも、エンジニアでも、現場の違和感を放置せず、仕組みへ変えられる人には新しいキャリアになり得ます。

ファミーユでも、介護と技術の間に立ち、現場の働きやすさを仕組みから変える仲間を求めています。仕事や見学については、お問い合わせページからご連絡ください。

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