桜を見る会 の批判が無益な訳
世の中「桜を見る会」の批判で盛り上がってますが、無益すぎて不愉快ですね。JK@施恩&フィオクォーレ代表 です。
「桜を見る会」の予算額は国家予算100兆円のわずか0.00005% の話だそうです。あんなに時間をかけて、キャンペーンする話ですか? 国家予算の30%を超える社会保障費 はその間どうなってるのですかね・・・。
もう一個、「桜を見る会」批判に代表される ”批判論調” の無益なところは 「人を攻撃」Attack People しているところですね。 人批判は簡単で、分かりやすいので、なにか問題が起きると、「誰が悪いのか?」と犯人捜しをして 「責任を取れ」だとか「反省しろ」などと本当に無益な帰結をします。
反省はいらない 再発防止のプロセス改善をする
介護の現場然り、世の中には「人を攻撃」Attack People する解決策がかなり多くの場面で採られています。この問題点は、それで何も有益な変化が起きないことです。攻撃された人は、反省 (自己を攻撃:Attack Self)し、「以降気を付けます」といった反省の弁を繰り返します。攻撃した人も満足しそれで、この話は再発されるまで終わりになります。
心に響いて、本当に変化を起こすこともあるでしょう。でも多くの場合には一時的な注意を引き出すのみで、問題は再発し、ましてや「問題の原因と再発防止の取り組み」といった教訓がチーム内でが共有されることはほとんどありません。
さらに、攻撃された人、攻撃した人も 心はすさみ モチベーションを落していきます。
そんな反省必要ですか? そんな反省を促す風習よりも、問題が起きたなら、なぜ起きたのか? どうすれば再発しないかの具体的なプロセス改善が必要だと思うのです。
この方針は、組織として明確に発信し、実行していく必要があるものだと思っています。
Attack Process Engage People 「自己・他人を責めず 唯 プロセスを改善する」(かなり意訳してますが)
ファミーユの重要な行動指針です。
「分かりました」ではなく「確認させてください」
実際に、ファミーユ内で Attack Processした事例を紹介します。
事業所内の伝達が上手くいかず、利用者さんへのクレームに繋がったことがありました。特殊なサービス内容だったこともあって、事前に細部の伝達をしてからサービスに入ったにも関わらず発生したクレームでした。
私「説明はしたの?」
リーダーさん「しました。 何度もしました。 Aさんも『分かりました』と言っていました。」
私「『分かりました』が 『分かってなかった』ということなのね」
リーダーさん「そうなんです。どうしたらよかったのですか?」
とAさん責めをせざるを得ないといった感じですが、共感できるところです。自分は対応してる。分かったと言って分かってないAさんが悪い と言いたくなります。
私「『分かりました』を禁止にしたら?」
リーダーさん「へ??」
私「Aさんは『分かりました』と言い実際には分かってない。『分かりました』を言われた側は 分かったのならよいか となるのでしょ? だったら 『分かりました』では済ませない様にしたらよい」
「人を責めない」問題解決は、それが生じたプロセスを分解していくことになりいます。人に帰責させたら、やらないプロセスだとも言えます。それで、次は、これを問題が起きないプロセスに置き換えていくのです。
私「どうしたら『分かりました』を禁止にできる? そしてチーム全員が同じミスをしない方法は?」
そうやって 出てきたのが、このポスターです。ファミーユの全部の事業所に、このポスターは貼られています。考えてみれば、コミュニケーションミスは多く発生する問題です。今回の問題とプロセス改善を契機にして、チーム内で同様の問題を起きないようすることができるなら、すごく有益なことです。
プロセスを変える方法は、限られています。代表的なのは、この様にルールを作って「掲示する」ということになります。クレーム報告書の報告内容としてみると、一風変わった再発防止策に見えます。でも問題をプロセスに分解し、それに対処しようとすると、こんな感じのものになると思っています。
問題のプロセスを変える方法としては、以下の様なものがあると思います。
- ルールを変える(承認事項を追加するなど)
- 掲示する(目について意識をするきっかけをつくる)
- 唱和する(口に出して言うと、考えずにいられないものです)
- リマインドする(システム的にカレンダー機能やリマインダーの機能がついているものは今や多くあります。スマホなど)
- 他人に指摘してもらう(自分のしそうなミスや行動傾向を周囲に発信し、「そんな行動があったら遠慮なく言ってほしい」とお願いする)
- 評価する(動機づけを変えられます。強制感が嫌悪されそうですが、期待値を満たす人・満たせない人をフェアに扱うという意味では活用できる方法と言えます)
- 必要なものを必要な場所に配置する(うがいができる様にコップを置く とか スマホにアプリをいれるとか)
- ヘッジする(問題のプロセスが強制的におきない様にする 鍵をかけるとか 権限を変えるとか)
- 誘導する(入ってほしくない場所には、チェーンをかける)
- 教育する(人の思考プロセスを変えることですね。例えば、この記事の様なものですね)
他にもあるかもしれませんが、こういった打ち手の組み合わせになると思います。Attack People(犯人さがし、人批判、反省)による問題解決に比べてたら、まったく異次元な解決方法だと分かると思いますが、こういった部分にこそ思考と時間を費やすことで、組織の行動は効率的・合理的になっていくのだと考えています。
責められるよりも 変えることは辛いこと
自己・他人を責める組織・職場では、ガミガミ言われることはあっても 自己や周囲のプロセスを変えることは求められません。その様な組織・職場に長く浸ってしまうと、問題発生に対して「すみません 今後気を付けます」「反省します」といった対応が癖になってしまいます。
採用面接でも、この様な経験のある方がほとんどで「自己・他人を責めない」といった方針に安堵・共感を示してくれる方は多いです。こんな時、私からは「実は厳しいことを求めている」とお話しをするようにします。
「自己・他人を責めない」とセットで求められる「プロセスを改善する」は、具体的な行動変容を求めています。プロセスを掘り下げていくと「自己の無知・無能」や「傲慢・怠惰」に行きつくこともよくあって、学習をする必要があったり、自己の思考プロセスを変える仕組をつくるなど、実は辛い労力・行動変容を求められることになります。
行動変容をしようとする人には、寄り添って応援したいなと思っています(Engage People)。他人には共感されにくいところだから。
そして、そうやって成長していくところを見れたら本当にうれしいでしょうね。