「やってくれない・・・」ではなく
ボスマネ(ボス・マネージメント)という言葉に出会ったのは、20年ほど前になると思いますが、それまでの私は、上司(ボス)に対して、「(上司なのに)やってくれない」といった感情をどこかで持っていたかもしれません。当時読んだ「ボスマネ」の書籍(すでにアマゾンでは絶版の様子)には、「ボスが『当然に友好的で自分より能力が高く、自分の悩みを察して、言わなくても手を差し伸べてくれる存在』だとは考えず、自分の顧客だと考えてアプローチする」と書かれていました。そしてそれが、組織において成功していくための一つの大きな要素であると書かれていました。
上司に依存しない、自律的成長
良い上司に恵まれたい、反対に 良い上司に恵まれない といった希望や悩みは尽きないかもしれません。反対に言うと、自己のパフォーマンスや、成長が上司によって左右されてしまっている(依存している)ということかもしれません。良い上司に恵まれれば、自分の仕事は成功し、恵まれなかったので自分は認められず、成長できなかったという訳です。
これに対する考え方や言動が「ボスマネ」であって、自分の上司・同僚・組織目標といった環境をそのまま受け入れ、仮にそこに存在する上司が無能で自分に無関心であったとしても、どうすれば、自分がパフォーマンスをあげれるか? 成長できるか? といった考えでアプローチすることです。上司がどのような人であったとしても、それに依存せず、自律的にパフォーマンスを出し、成長するということを目指すわけです。
上司を無視することでも、機嫌を取るわけでもなく
それは、無能な上司は無視して仕事を進めたり、仕事とは無関係なところでも機嫌を取ったりすることではありません。仕事を進めるための承認や、上司しかできない社内調整を円滑に進めてもらうための方法はなにか? ということです。自分の業務の目標についての認識合わせ、スケジュールや進捗の情報共有、上司判断を正しくしてもらうための客観的な判断材料の提示などがそれにあたります。時には、上司の固定観念を変えてもらうための「上司教育」もする必要があるかもしれません。私は、自分が実現したい目標があって、それが、上司には受け入れがたい観念であった場合に、その認識を変える必要があると認識できるニュースや書籍の感想などを上司との話題にするといったことをしていました。
嫌な上司、無能な上司はいない と言える人が 次の上司になる
こうして上手にボスマネをし、自身の目標を達成する人は、その上司がいかに無能であっても、自身の仕事にプラスになっていると考えるため、上司のことを悪く言ったりはしません。また、当然、社内の評価を得る人材です。「嫌な上司、無能な上司はいない」と言える人が次の上司になっていくのです。
力があっても、「(上司が)やってくれない」といった考え方、言動が自分のパフォーマンス・成長を阻害しているだけかもしれないです。「ボスマネ」是非チャレンジしてみてください。